香川の漆芸技法は刃物を使うという特徴があります。
いくつかある技法のうち彫漆(ちょうしつ)は字のごとく、彫刻刀を用いて漆を彫っていきます。
漆は固いので、木工用の彫刻刀よりも厚い刃を使用します。
なかなか道具屋では出回らないのですが、直接刃物屋で交渉して買います。
そして、柄も自分仕様に作ります。
檜の柾目を用いて刃物の形に彫り込み耐水性の接着剤を塗ってからプレスします。
手の大きさも人それぞれ違います。
私は手が小さいのですが、少し太めに作っています。
太いほうが疲れないから。
しかし、疲れたな・・・と思ったらすぐやめます。
幸い刃物の傷は治りも早いのですが、切り傷では済まないと取り返しがつきません。
疲労時の刃物は本当に危険です。
経験上ほぼ怪我します。
初めにも言いましたが、漆はとても固いです。
気力、体力の消耗が激しいのです。