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​物作りの日々。と言葉

籃胎蒟醤短冊箱「歳寒松柏」①


//////////////////////////////////////////////////////// 東日本伝統工芸展 日本橋三越7階催事場 2019年5月1日(水)〜5月6日(月)まで //////////////////////////////////////////////////////// 

五月頭に日本橋三越にて東日本伝統工芸展がはじまります。

アートフェア東京に向けて作品についてブログを書いていたら、語りたい欲が芽生えてきました!

そー、だって力を入れている部分は見えないから。

漆は最後の一枚の塗膜面でそれまでの長い長い工程が全て見えなくなります。

逆に言えば、その面を作りたいがための仕事とも言えましょう。

下ごしらえで手を抜けば「あぁ…」と一発でばれてしまうものです。

籃胎という竹で編まれた素地で作品を作っているのですが、表は蒟醤の加飾をするために竹目をつぶします。

なので箱を開けないと編み目は見えないです。

そして会場でも蓋は開いてないでしょう。

竹を正確に編むために木型が必要になります。

必要最低限しか出来ないんですが、木工もなかなか楽しくて。

刃物はまらないなぁ(笑)なんて思いながらも鉋(かんな)を使って木型を作っています。

刃物好きな人は好きですよね。

砥石もそうだけど。

何がそんなにツボなんだろー?

私もはまらないなりに必要な事はやろうと思うんだけど、好きなら見る世界もまた違うだろうなと思いを馳せてみたり。

昔、漆芸研究所のデッサンの先生が「刃物の研ぎをやってると感覚が鋭くなっていくよ」

と言っていました。

その当時、箆太刀というまあまあでかい刃物を夢中で研いでいたら、やたらと虫の知らせを感じるようになって怖いなと思ってやめちゃってました。

そういえば、川霧の作品を作る前もかなり刃物研いでいた気がします。 

え、意外とスピリチュアル体質…?

対馬砥石が欲しくて訪ねた刀鍛冶のおじさんが

、刃物には魔物が住むからねと言っていました。

夢中になりすぎて精神が壊れちゃう人もいるんだとか…。

色んな人が色んな不思議な事を教えてくれました。

混乱するからお師匠は一人がいいって言うけど、私は色んな話を聞くのが好きでした…。

色々気も散るので遠回りしたり自分でも生き方が不器用に感じる事もあるのだけれど、不思議とリサイクル率は高いです。

自分の気持ちに従ってきたものは後から回収できる事に段々と気づいてきました。

色々な人が教えてくれるバラバラのパーツを自分で組みたてていく事に幸せを感じており、上手くなりたい欲求が根底にはありますが、その人のこだわりに触れた時にワクワクしてました。

綺麗なものも汚いものも、一流のものもゴミも、好きな人も大嫌いな人も自分を作りだす何かでしたし。

ITも伝統工芸も。

女子校も男子だらけの理工学部も。

社会人もニートも経験しました。

対局を知るからこそ、これから選んで歩けるかと思います。

ようやく…。

私が見てきたものを共有する手段として漆芸作品に取り組んでいきたいです。


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